BBC地球伝説

  • トップページ
  • 歴史
  • 自然
  • 紀行
  • 文化

ストーリー

古代の黙示録:エジプト古王国の滅亡

巨大なピラミッドやスフィンクスで知られる、古代エジプトの古王国時代。ナイルのもとで安定した農耕を営み、高度な文明を誇った古王国が、今から4200年ほど前に謎の崩壊を遂げた。
自然の計り知れない力の不思議と、古王国崩壊の恐るべき真相が、ついに解き明かされる。

今から4200年ほど前、古代エジプトの古王国が謎の崩壊を遂げる。崩壊の謎に挑み、驚くべき事実を発見したのがエジプト人考古学者フェクリ・ハッサン教授である。教授は、古王国が王ファラオの後継者争いで滅亡したとする通説に疑問を抱いた。そのきっかけとなったのが、1971年に発見された、古王国滅亡直後の州侯アンクティフィの碑文である。そこには、エジプト南部が壊滅的な飢饉に見舞われ、飢えた人々が我が子を食べるに至ったとの、ショッキングな記述があった。果たしてそれは真実なのか。ハッサン教授の30年に渡る検証が始まる。
1996年、エジプト北部のナイル・デルタで、古王国時代末期の9000体に及ぶ骸骨が発掘された。古王国崩壊には、自然環境が関係していると直感していたハッサン教授は、エジプトの恵みの源であるナイル川に注目する。毎年定期的に氾濫し、肥沃な土をもたらすと信じられていたナイル。教授は、実は数年に一度は氾濫時の水位が低く、不作を招いていたことを突き止めるが、それだけでは、150年は続いた古王国崩壊後の暗黒時代は説明できない。
次に教授は、砂漠に目を向ける。植物学者である妻の協力を得て、現在の砂漠も7000年前はサバンナであり、長い年月をかけて徐々に砂漠化したものだと判明するが、やはり古王国崩壊の解明には至らない。
その頃、隣国イスラエルの鍾乳洞の調査で、古王国が崩壊した4200年前に、劇的な気候の変化があったことが分かる。その変化が果たして、エジプトでも起こっていたのだろうか。その答えは意外にも、アイスランドの氷河に隠されていた。自然の計り知れない力の不思議と、古王国滅亡の恐るべき謎が、ついに解き明かされる。