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ストーリー

世界のランドマーク その裏側に迫る!
スペイン・世界遺産の街の大聖堂

スペイン北西部に位置するガリシア州の都市、サンティアゴ・デ・コンポステラ。世界遺産に登録されている「サンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼路」の終着地であり、キリスト教三大巡礼地の1つだ。この地にある大聖堂で、大がかりな修復作業が行われることになった。スペイン国王夫妻の訪問と、ローマ法王の訪問に間に合わせるため、なんとしても期限までに終わらせなければならない。与えられた期間は、わずか10か月。はたして修復作業は無事に終了するのだろうか。

年間250万人以上が訪れるというキリスト教の巡礼地、サンティアゴ・デ・コンポステラ。毎年7月の「聖ヤコブの日」には特に多くの来訪者を迎える。その中にはスペイン国王夫妻も含まれており、さらに11月にはローマ法王の訪問も予定されていた。スペイン国王夫妻とローマ法王の訪問に向け、大聖堂の大がかりな修復が始まった。
修復プロジェクト全体の指揮をとるのは、司祭のホセ・マリア・ディアスさん。そして大聖堂の門は修復専門チームが担当。修復に取りかかる前に、さまざまな専門家が独自の分析を行ったうえでプランを練らなければならない。しかし始まったばかりのプロジェクトに、早速問題が生じる。予定より4ヵ月も早く足場を解体するよう、政府が要求してきたのだ。作業は困難をきわめたが、一部の足場を残すことで問題は解決にこぎつけた。
一方、聖堂の屋根では花火技師たちが作業をしていた。聖ヤコブの日の前夜に打ち上げる花火を設置するのだ。爆発物を屋根に仕かける危険な作業を迅速に行い、2万5千発もの花火を上げる準備は完了。残る心配は当日の天気だけとなった。
聖ヤコブの日の前夜。幸い天候にも恵まれ、世界各地からの観光客が見守るなか盛大に花火が打ち上げられた。国王夫妻の訪問を無事に乗り切った修復チームの次の目標は、ローマ法王の訪問。しかし政府から修復の許可がなかなか下りず、残された時間は少なくなっていく。チームに焦りが見え始めた。
とうとうローマ法王の訪問まで残り12日となったところで、ようやく政府から許可が下りる。大急ぎで移動式クレーンを稼働し、限られた時間の中で最善と思われる修復作業を行い、ローマ法王を迎えることができた。修復プロジェクトを指揮した司祭は各人の仕事ぶりを称賛。修復に携わった人々も「やりがいのある仕事ができて満足だ」と語った。