BBC地球伝説

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ストーリー

イースター島の失われた神々

BBCの誇る世界的自然番組プロデューサー、デイビッド・アッテンボローが送るイースター島の謎。太平洋に浮かぶイースター島は、火山の噴火で誕生した小さな島だ。周囲の島々や南アメリカ大陸とは4千キロも離れ、まさに南海の孤島といえる。1500年前、この島に初めて渡ってきた人類であるポリネシア人は、周囲から孤立した環境の中で独特の文化を育んだ。そして、世界の不思議として数えられる巨大石像(モアイ)などを生み出した。この島で作られたとされる1体の木像が、ニューヨークのオークションに出品された。そして、この木像に神秘的な魅力を感じ、購入したデイビッド・アッテンボローは、いつ、どこで、何のために作られたのか、何を表す木像なのかを探るため、長い旅を始めた。謎解きは、ロシア、オーストラリア、イースター島と様々な場所に及び、論理的かつスリリングに進められる。イースター島探検の歴史をひもとき、古い時代の信仰、巨石像の謎が明らかにされていく。やがてつきとめられる木像のルーツとは何だったのか? 人と神との関係が浮き彫りにされる歴史謎解きドキュメンタリー。

ニューヨークのオークションに出品された1体の木像。イースター島で作られたという説明のわりには、さほど高い値はつかなかった。観光客用の土産物か、出所の怪しい品だと思われたようだ。しかし、この木像に神秘的な魅力を感じ、購入した人物がいた。この番組のホスト、デイビッド・アッテンボローだ。アッテンボローは、この不思議な木像がいつ、どこで作られたのか、そして何の像なのかを解明すべく、長い謎解きの旅に出る。まず訪れたのは、ロンドンの大英博物館。ここにはイースター島の古い木像が数点収められている。しかし、どの木像も、アッテンボローの木像とは違った特徴を持っていた。次に向かったのはロシア、サンクトペテルブルクの人類学・民族学博物館。ここには問題の木像とそっくりな女性像、そして、鳥の頭を持つ男の像が所蔵されていた。しかしこの2体の木像がいつ頃作られたのか、どんな経路でイースター島から持ち込まれたのか、はっきりしたことは分からなかった。そこで、次にシドニーの州立図書館を訪れたアッテンボローは、キャプテン・クックの一行が1774年の航海で手に入れた木像の絵を目にする。そして、そこに描かれた木像が、自分の木像に酷似していることに気づく。クックがいかにしてこの木像を持ち帰ったのか、その答えを見つけ出し、木像のルーツを明らかにするため、アッテンボローはイースター島へと飛び立つ。ここでイースター島の歴史やヨーロッパ人による調査の歴史を調べるうちに、木像がクックの船で島からタヒチに持ち出され、そこからあるものはロシアへ、あるものはアメリカへと渡った経緯が明らかになる。最後に残った謎は、木像が何を表すものかということだ。この答えは、イースター島にかつて存在した信仰の中に隠されていた。
そしてついに、木像の正体が明らかになる