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裁ち鋏(たちばさみ)

古き良き時代の熟練職人による“ものづくり”にフォーカスを当て、今と和えるライフスタイルを提案する番組第38回目は、「裁ち鋏」の世界へご案内します。裁縫で使う「裁ち鋏」、実は東京都の伝統工芸、東京打刃物の代表的製品なのです。その秘密に迫ります。
 日本における鋏の歴史は6世紀頃に伝来し、始まったとされています。ロウソクの芯を切るためのX字型の鋏や、髪を整えるU字鋏など、当時から日本では様々な鋏が職人によってつくられていました。徳川家康愛用のハサミも見つかっており、江戸後期には布切り用、爪切り用など様々な鋏が生まれ、庶民に普及。その後明治時代になると西洋の文化が広まり、洋服をつくるためのメリケン鋏が渡来。刀鍛冶の吉田八十郎という1人の日本人が、メリケン鋏を日本人に合うようにとアレンジしたものが、裁ち鋏のはじまりとされています。
 江戸時代から続く技法、鋼や軟鉄など全て手打ちで仕上げる「総火造」を現代でも受け継ぐ数少ない職人に密着。裁ち鋏づくり歴約70年になる職人の工房には、調子の良い金属音が響き渡り、金属の塊が一つの鋏に仕上げられていくのです。その技術と精巧さは一見の価値あり。日本の伝統技を守るだけでなく、挑戦も続ける職人芸とは。
 西洋からきた良いものを日本風にアレンジしてより使い易いものにする、まさに日本人の職人技の象徴とも言える「裁ち鋏」でつくる番組オリジナル商品は、粋な大人の食卓にぴったりの逸品です。