百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

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東京・谷中「朝倉(あさくら)彫塑館(ちょうそかん)」前編
~偉大な彫刻家が建てた奔放自在の館~

今回は台東区谷中にある「朝倉彫塑館」を訪ねます。朝倉彫塑館は彫刻家、朝倉文夫が7年の歳月をかけて造りあげたアトリエ兼自宅です。現在は美術館として公開され、平成20年に建物を含む敷地全体が「旧朝倉文夫氏庭園」として国の名勝に指定されました。今回はこの朝倉彫塑館を2週に渡りご紹介。前編はアトリエを含めた1階部分を拝見します。朝倉文夫は明治から昭和の日本彫刻界をリードしてきた巨匠。粘土を用いて造形する彫塑というジャンルを極めた人物です。卓越した技巧に基づいた写実を追求し、早稲田大学の大隈重信像などの作品を残しました。そんな朝倉文夫が、設計から細部の意匠に至るまでこだわり抜いたのが朝倉彫塑館です。芸術家らしく伝統に捕らわれず、自由な発想で建てられた独特な造りは「アサクリック(朝倉のテクニック)」と呼ばれています。注目は天井高8.5mという巨大なアトリエ。床下には作品制作の際に用いた、深さ7.3mにも及ぶ昇降台が設えられています。天井と曲線でつながる内壁の表面は綿で覆った「真綿壁」という工法で仕上げられ、柔らかでやさしい印象を与えます。彫刻界の巨匠朝倉文夫によって生み出された芸術空間は必見です。

取材先情報

朝倉彫塑館

東京都台東区谷中7丁目18番10号 TEL:03-3821-4549
開館時間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:
月・木曜日(祝日と重なる場合は翌日)
年末年始
※展示替えのため臨時休館することがございます。

※上記以外の情報については、公開出来ません。