百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

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千葉・佐倉 ~関東屈指の城下町~

今回の『百年名家』は、千葉・佐倉。

佐倉市は佐倉城を中心に栄えた関東有数の城下町。江戸時代初期に徳川家より東方の守りとして建てられた、江戸幕府にとっては非常に重要な場所でした。町は東西に延びる台地の上にあり、武士が住む町と商人が住む町に分かれていました。そして明治時代になると、城跡に陸軍の兵営が設置され、武家屋敷はそのまま軍人屋敷として転用されました。
そんな長い歴史の息吹を感じる町並みを八嶋さんと本上さんが巡ります。

さっそく2人が訪れたのは、佐倉に残されている武家屋敷。この武家屋敷は今でいう社宅のようなもので、武士の階級によりその造りに決まりがあったと知り、改めて武家の生活様式に思いを馳せる二人でした。

商家町を歩くと美味しいそうな和菓子屋さんを発見しました。「蔵六餅本舗木村屋」は銀座木村屋の第2号店として、明治15年に創業した店です。店舗奥では明治時代に造られた茶室で月に数回お茶をいただくことが出来ます。2人のために、店主自らお茶を点てていただきました。すっかり和んだ2人は、江戸時代の土蔵を拝見することに。そこには高級茶器や調度品、高札など佐倉の歴史を物語る貴重な品々が展示されていました。

木村屋の隣には「創業寛政年代」と書かれている「三谷屋呉服店」がありました。「三谷家」はこの界隈では指折りの豪商。藩主堀田家から苗字・帯刀を許された由緒ある家柄で、現在住居として使用している建物は、佐倉市の有形文化財に指定されています。出桁造(だしげたづくり)の主屋の横には、防火壁としての役割も兼ねる「袖蔵」。佐倉の商家の様子を今に伝えるとても貴重な建物です。もともと店舗だった土間を利用して、素敵な空間にリフォームしてあります。現代モダンのデザインと伝統的な土蔵との見事な調和に感心する2人でした。

かつて佐倉は「成田街道」を通じて成田との取引が盛んでした。成田には「三谷家」と同様、リフォームをされている古民家があると聞き、2人は早速出向きました。訪れた「加瀬家」には、推定築150年の重厚な長屋門が残されています。主屋は築91年で、以前養蚕をしていたらしく屋根が高い瓦葺の家です。立派な神棚の下に仏壇が鎮座する「仏間」は、以前の造りをそのまま生かしています。ところが「仏間」の襖を開けると、突然別の世界が広がります。現れたのは超モダンなリビングルーム。かつての縁側廊下をリビングのスペースに再利用し、広い空間と斬新なデザインを生み出しています。あえて太い梁をむき出しにはせず、すっきりとしたデザインを採用しています。「古民家にずっと住んでいると、むしろそういうものはあまり見たくなくなる」と言うご主人のリクエストでした。古民家リフォームも住む人の想いで、その表現方法は様々だと知りました。

再び佐倉に戻ってきた2人は「旧呉服商・駿河屋」に向かいました。この建物は桂小五郎が宿泊した旅館「油屋」の跡地に明治時代初期に建てられたものです。室内は大阪障子や更紗のふすまで仕切られ、通気用の無双窓など随所にしゃれた工夫が施されています。中庭には深さ22mのつるべ井戸がありました。水を汲んで井戸に流し込むと水音が数秒遅れて聞こえてくるほどの深さに2人は大興奮。

旅の最後に、佐倉の町並み保存活動をされている「佐倉一里塚」のメンバーの方々に、この町の魅力を語ってもらいました。多くの人々にも佐倉の魅力を知って欲しい、そんな想いが伝わってきました。

今回は、首都圏に数少ない城下町の歴史と文化を知った旅でした。